STAPの騒動も年内でき切りがついたようで。

検証実験も終わり、不正調査も終わり、あとは最終的な責任とか処分が残るだけか。今日の発表は歯切れの悪い部分もたくさんあるけれど、犯罪捜査でも、裁判でもないので、明確に言えていることと、疑わしいけれど決定的ではないものについて、調べられたことが公表された。まぁ、そうだろうな、という妥当な線に落ち着いたと思う。依然として、なんらかの遺伝子導入を伴わない方法で万能細胞化する方法がある可能性はあるのだけれど、小保方さんの方法ではできないという結論になり、論文もあれだけの人たちが周りにいて何故それがまかり通ったのか、といったレベルのものだったことが明らかになった。
実験科学では、小さい確率でこのようなことが起きる可能性はあるのだが、全く、残念なことに終わってしまった。

学位・ノーベル賞

昨日は小保方さんの学位に関する早稲田の記者会見の話題を追っていたら、夕方になってノーベル賞の話が。
小保方さんの学位の話は、まぁ、そんなところかなー、とは思うが、学外副査の責任とか、小保方さんの学位論文の内容の英語の原著論文がまた、データの改ざん疑惑で、図に出していた写真を取り下げて、こっちが正しい、という差し替えの図を出していないと言う。(こういう場合取り下げるのが普通。査読を通った時の形から大きき変わるので、査読をやった意味が無くなるから)この状況で書き直せるのかなぁ。元となってる論文のその状況を指摘して、即学位取り消しでも良い状況があると思うんだが。

ノーベル賞、赤崎、天野両氏の方は、素直におめでとうなんだが、中村氏はなんなんだろうなぁ。彼の触れ回っている話と、日亜側の話は随分異なる。そのまま真に受けない方が良いんだろうが、一方的な言い分がまた流されるというのもいかがなものか。あのキャラクターは、日本よりアメリカの方が適していると思うので、向こうの環境でハッピーなのだろう。彼の日本批判を、そのまま取らない方が良いだろう。国籍の話もなー、日本の国籍の扱いは、他国の国籍を取る=日本国籍を失う(=捨てる)になるので、捨ててないと本人が言ったところでなぁ。アメリカの暮らしが快適なので、一生アメリカで暮らすつもりで国籍取った、ということで良いんじゃないかと思うのだが。研究費の都合でアメリカ市民権取っただけで、日本国籍を捨てた訳ではないって詭弁だな。むしろそういう理由で国籍帰るってどうなの、と思うなぁ。

笹井氏・・・

今日、自殺されたとのニュースが飛び込んできた。STAPの件では失敗したものの、これまでの主な業績とされている仕事は、幹細胞から移植用の臓器を作るための基礎となるもので、元々ES細胞でやっていた研究なので、ES細胞研究の人のように言われているけれど、ES細胞の作り方をやっていた訳ではなく、その業績は当然元にする幹細胞をiPSに変えようが、基本的に同じやり方でiPSから臓器作れるはずで、価値は変わらない訳で、その評価は変わらないはずだ。
もちろん、STAPの件では軽率だった、と言わざるを得ない問題が数々指摘されていて、その部分で責任はある訳だが、むしろ、何故あれを見抜けなかったのか、皆が不思議がる点ではある。独自の幹細胞作成技術を手にしたい気持ちが強かったのか。そもそも、マウスの1週令でしかできていない技術では、まだ先行きは不明で、論文発表時の、あのような誇大宣伝は危険だった。
鬱状態にあったらしい情報があることから、かなり落ち込んでいたのだろう。医者であり、科学者でもある人だから、自分で危険の自覚はあったはずだと思うが、それでも死まで行ってしまう鬱状態というのはコントロールの難しいものなのだなぁと思う。
研究費を見ると、年間4億の予算で10年という研究計画の代表者、他にもいくつか大きな予算のプロジェクトを動かしていたようで、処分が宙に浮いた状態で、そのような大きなお金を預かる責任ものしかかっていたのかもしれない。
iPSの話が出た時に、私程度の研究者でも、うまく、ゲノム中の4遺伝子を働かせる事ができる条件を見つければ、遺伝子導入無しで同じ事ができるのではないか、そのような条件無いのかなぁ、と思ったりしたくらいなので、STAPの話は、そんなに簡単に?という驚きはあっても、もしかしたらできるかも、と思っている事なので受け入れられたのだと思う。ただ、最近の小保方さんの様子などの話を伝え聞くにつけて、怪しさに気づけなかったかなぁ、何故そこまで信じたかなぁ、と思ってしまう。


早大 D論調査

また、小保方さん関係の新たなニュースがあった。博士論文の調査結果の発表とか。世間はSTAP細胞に興味はあっても、こっちには、そんなに興味が無いのか、会見場の貴社数も少なかったようだし、ニュースの扱いも小さかったようで。
しかし、間違って製本するのも、普通、乱丁、落丁のないようにきちんとチェックして、製本に回すものなので、ちょっとの誤字脱字、ラベルミスなどではなく、あれだけ間違いの多いものに気づかない訳が無いのだが。結局、審査時点で本物とされる論文があった証拠となるものは提出されていない。最初からファイルの提出を求められているのに、わざわざ紙で出し、最後にファイル出した時にはヒアリングでの指摘を直したという最近の日付のバージョンを出してくるって。。。素直に信じる気になるような対応をしていたと思えないのに、信じるって。
まともな審査されてないし、その時点で存在していた事を示すものも提出されていないんだから、最大限、譲っても、審査員総入れ替えの上、再審査でしょうに。
さあ、総長は最終決定どうすんだろうね。

STAP騒動は続く

ニュースの扱いから少しずつ世間の興味は薄れつつあるようだけど。科学の世界の人から見れば、分子生物学会の会長声明の通りになるのだが。理研も説明の調子の当たりからの勝手な推測をすれば、科学のわからない人(政治家か官僚あたりの一般人の印象が大事な人たち)を納得させるために小保方さんに実験させざるを得なくなったんだろうなぁ、というところか?
小保方さんの状態が病院から通うような状態では、切られた期限内にできない可能性は高いし、それで本人を納得させもできないだろう。これまでの、大捏造事件群同様、本人は捏造を認めないまま、ということになるのは予想できる。つまり、実験させるだけ無駄、、、とほとんどの科学者は思っているはずなのだよね、やらせてるCDBの人も含めて。
数ヶ月のために、専用に新たに部屋を用意して実験させるって大したVIP待遇だなぁと。ほんと、その前にきちんと説明しなきゃ行けない疑惑が山とあるんだな。それをうやむやにして、再現も何も、再現すべきそのものがあったのか、あった可能性がどの程度のものなのか、きちんとしなければ、どんなに再現を試みて、ダメだったにしても何の区切りにもならないのだよね。
最初に派手な事をやったおかげで、普通の捏造事件なら、静かに解雇に向かって行くはずの話がおかしな事になっている。

今日の理研の会見

今日、理研から、改革委員会の提言とCDBの自己点検の結果についての説明の会見があった。早めに帰ってきて自宅で見ていたが、まー、それぞれの立場の人で、そう言うだろうな、という話だったけど。今小保方さんの弁護士は発狂してんのかな。少なくとも、あの論文はデタラメだらけ、と公式認定したようなもんだったし。

これから提言通り解体となると、CDBの知り合いは大変だろうなー、というのが一つの感想。近い分野の人があれだけの数集まっていて、一斉に次の仕事場探すとなると、行き先簡単には見つからないだろうし。発生再生科学という日本語名だけど、英語名通り発生生物学の人がほとんどで、基礎生物学だから。理研とはかなり研究環境の落ちるところに国内で移るか、海外で職を探すかだなー。大学の教授も定年で明いたポストを全部は埋めるな、という文科省の指示が出ていて、実質定員減が行われている最中だし(この中でポスドク対策しろとか矛盾なんだな)。小保方さんなんかよりずっと優秀な人々が海外流出してしまいそうだな。小保方さんと同じ時に採用された人はとばっちりだし、近いタイミングで、任期延長の審査の予定の人はたまらんな。次の神戸の研究所をどういうコンセプトにするか次第だけども。

所長の竹市さんは、そもそも退任意向があって、良い次の所長がなかなか見つからなくて、という状況だったという噂も聞くので、気の毒なところではある。まー、でも、所長という立場はそう言う責任も負うという事なのだよねぇ。

美味しんぼの騒動に思った事

ここ数週間の美味しんぼの騒動を見ていた。私自身は、この漫画はあまり読んではいない。しかし、これまでの生活の中で、ビッグコミックスピリッツは買っていた時期もあるし、食堂などに置いてあるのを読むこともあったので、それなりに読んだこともある。テレビアニメ化や、実写での映像化もされていたはずで、全国のコンビニ、書店に行きわたっている漫画誌に長く続いていることとあわせて、かなりの知名度のある作品という認識が世の中にもあると思う。


端的に言えば、その作品の中で、雑な取材で(本人と編集部は綿密な取材と思っているようだが)偏った意見の表現が現実と密接にリンクして描かれて反発を食らった、という騒動だと思う。


掲載がマイナーな雑誌だったり、まだ無名の作品だったりしたら、ここまでの騒動にはならなかったかもしれないけれど、この騒動に関わる色々な話は科学技術の話を一般に理解してもらうのが難しいことを象徴している感がある。


低線量の被ばくで起きるのは、基本的には眼関係のリスクの増加のみ。身体的な症状が出ていて、それが被ばくによるのならかなりの量の被ばくをしていることになり、きちんとした治療を受けるべき状態。毎日鼻血がでるんです、なんて言っている場合ではない状況のはず。


わかっていないことも多いと言うし、と言うのも良く聞いたフレーズだが、実際には言い方が逆さで、被ばくによる症状のほとんどはわかっている。放射性物質を掘り出す鉱山労働者、大気中核実験が盛んに行われた時代の実験場周辺住民の健康被害、広島、長崎の原爆による影響、原子力発電所の事故など。様々な事例で知識は集まっている。ごくまれなケースは出てくる可能性は無いとは言えないのと、がんなどは、他の要因の影響による部分も多くて、低線量被ばくの有無を判別できない領域(=気にしても無駄レベル)でのことはよくわからない、というところの話が拡大されてしまっている。

甲状腺はヨウ素を集めるメカニズムがあるので、放射性のヨウ素が濃縮されて問題を引き起こすが、鼻の奥に放射性物質を濃縮するメカニズムは無い。ならば、そこに局所的に炎症を起こすほどの放射性物質を含む粉塵にさらされた人はどうなるのか。ここを科学者は正確性を期するために、「メカニズムは知られていない」と表現する。報道や一般の人は「知られていない」に食いついて過剰反応してしまう。実際、全てがわかっているわけでは無く、絶対か?と問い詰められると言い切れないので、こう言うわけだが、現実にはそれがあるなら、すでに知られているはず、な状況なのだ。そこが、政治家や宗教家と科学者の違いなんだけど。(もっと根拠薄弱でも言い切れる人物でないと、世の中の人を率いる立場の人にはなれないのが世の現実、科学者も研究室を運営するようになると、ここを使い分けられる人が政治的には偉くなる)


むしろ、問題は、地震、津波、原発事故と、大災害のトリプルパンチに長期の避難生活が加わっての、精神的、肉体的疲労。また、放射線に対する無理解からの過剰なおそれ、おびえからくるストレス。これは、まだ、解決されていない部分があって、継続的に意識する必要のある。ここへのケアが継続的に必要な事こそ、強調されるべき事だったと思う。

調査委員を引き受けるのも。。。

小保方論文の調査委員になった人々に次々告発が来ているようですが、どうやら、最近のものは科学論文のわからない人が無茶苦茶やっている様相が出て来ているようです。
先日の山中さんのも少し気の毒だった。10年以上前のデータやノートは、完璧に残っているというのは難しいだろう。その間研究室の引っ越しもしているし。必ずし全てのデータを自分で管理しても居ないだろうし。

実際、論文の書き方のルールも、この20年間の間にコンピュータの普及、インターネットの普及で大きく変わり、それによって、不正なデータの改変が問題となって来て、変わって来た部分が多い。昔の図表は、台紙に写真を文字通り”切り貼り”して作っていた。2つの写真を接しておいても、境目は、まず見えるし、そのものが送られ、編集部の目に触れ、査読用のものも紙媒体で同じものを用意して送られていた。写真を詰めて置いても1枚のものと錯覚させる余地はなかった(もっとも、組み合わせてライティングを調節して撮り直して、を繰り返すとか、それでも不正をしていた人も居たかもしれないが)。画像がデジタル化してパソコン上で操作して図を組んで作成するようになり、Photoshopのようなソフトが普及して行く中で、変わって来た。背景が白いと、画像と背景のシロの境が見えなくなって、画像の範囲を黒い線で囲んだり、別のゲル画像を並べる時に境界に線を入れる、なんて言うのは最近のやり方。逆に言うと、これは一枚に見せかけるような操作を悪意を持ってする人があったためにできたルールだろう。小保方さんの改ざんとされた図についても、背景の黒の色調が合わされていて、別の実験画像の合成には見えない。オリジナルデータは調査報告書のものを見る限り、背景の色は違う。合成が悪い事と知らずに無邪気にやると、通常は切れ目の見える形で図を作り、ルールを知っている人に指摘されたはず。何らかの意図を感じる部分ではある(ただ、悪意は無くせんがあると見た目が美しく無いという感覚だけでやった、と言われるとなんともだが)。

正直、徹底的にやってない感じのあった調査だったので、今度、全部きちんと調べ直すことになったらしいので、時間がかかってもちゃんとやって欲しい。
理研の研究組織も、定期的に審査されていて、評価が低いと研究所の組織替えがあるということで、CDBも今回の件で評価を下げると小保方さん戻りたいと言っても研究所がなくなっている、なんて落ちになりかねないのだよねぇ。

研究不正のここのところ思うこと

研究不正の問題は、研究の世界に居るとしばしば耳にしたり、身近なところで実例が起こったりして、それらの実例から、何がダメなのか、何故なのか、考えさせられ、学生時代に身につけたものの上に、さらに常に新たに学んで行く事になります。

こういった事に最近の話題で初めて触れた人には、多分、何故ダメとされているのか、すっと理解する事はできないのかもしれません。
また、これまでの、典型的な事件の展開、(一つ怪しいものが見つかって細かく調べ始めると次々疑惑が大きくなる)を今回の事件もなぞって来ていて、多分クロの印象を多くの研究者が持っています。これは、一般のTVや大手新聞の記事だけ見ている人には不思議なのかもしれません。

意識の低い人の中で育ってしまったりすると、外では通用しないスタンダードで博士になってしまったりするんだろうな、と、最近のSTAPの議論で変な発言を大学とか研究関係者からすら見ることから思う。

理研は、最初の対応を誤ったために、今回の件は揉めそうな展開になってきました。時間がかかっても、論文のすべてを徹底的に検証するべきでした。少なくともこれだけは明らかだ、と言える部分だけ不正認定して、手打ちにしようなんて事をしたせいで、かえって不味い事になるリスクが出て来たように感じます。あの2報の論文だけでも、実際に調査委員会が検討した6項目以上に疑問のあるデータはあるようですし。

今日のSTAP話

大した話は出ないだろうと、期待してなかったけど結局、会見は見てしまった。一番の印象は、笹井さんはやっぱり医者出身だな、と。理学系の学部を出た学者だとああいう感じにはならないな、と。
STAPに関する話は、笹井さんとしてはそうなんだろうなー、という話しかなし。まぁ、まだ、STAPに可能性を見いだしている理由は丁寧に説明していてわかるけれど、丹羽さんの話とほとんどかぶってるし。
誇大広報は、報道機関に責任転嫁してたけど、それはそういう報道されるようにやっただろー、と思った。マウスの1週令(つまり赤ちゃん)でしかできていない実験がすぐにiPSを超えて、治療に使えるかのように発表したんだから。ま、その手の発表は生命系の基礎研究の発表では定番ではあるのだが。病気の治療に役立つとか言わないと、記者が相手にしてくれないからねw
小保方さんへの指導責任も、基本的には笹井さんが見るようになる前の教育の問題だからねぇ、あの博士論文の話を見る限り。責任逃れと言われても、ああ答えるしか無いよね。あんなひどい博士論文の人の出すデータや話を今でも信じられるか、みたいなきつい質問はなかったかな。私だったら信じられなくなるけど、見た現象が完全な捏造と納得できなければ、やっぱり、検証してみるしか無いので、今の理研のラインに乗るしかないか。

Jubai 1-1