STAP再審査せずで

久しぶりにまた、STAPのニュースが来て。
すごいノートでした。弁護士が書き出した、ってのはホントにそのページに書いてある全てなんだろうか。あれは、今日やる実験を書き出したメモにしか見えない。実際のノートは別にあるんでしょ?と聞きたくなるもの。実際に別の実験の手順やデータがもっときちんと書いたものが無いと、実験自体がキチンとできないはずなんだが。弁護士が書き写す時に大事な情報がわからずに勝手に編集してないのかな。

理研のプレスリリースも読んでみて、記者会見も見ていました。理研はあの二点で、取り下げと解雇に、もう十分で、それ以上は時間の無駄と見てるのかなぁ、という感じ。ただ、最初の演出を派手にやったため、ここまで騒動が大きくなってしまい、もう、Natureの2報は全て点検せざるを得ないのでは、と思う。ノートと突き合わせてやったら、どうなるんだろうか。どれだけのデータの根拠が判別できるのやら。しかし、今回の説明は細かくて、なんで、前回と違うのか、精査し直したのか問われた時の答えがきつかった。他の研究不正の報告書と同様な出し方で、学問の世界の人なら、あれでわかるはずと考えていたら通じなかったので、細かく書きました、と。前回と今回の間に新たにわかった事としては、最初のrejectされたNature投稿の後、Cell, Scienceにも投稿していて、Scienceの査読で、ゲル画像の合成について指摘を受けていたという事。改ざんの方は知っていてやっていたと考えるのが適当だろう、という状況が。つまり、聞き取りに嘘をついた可能性がある。査読の指摘を読まないって、あり得ないから。他にも、厳しい指摘が多く、あの説明を読んで、まだ、ごちゃごちゃ言うのかな。

あの弁護士も、やってることが、普通の不当解雇などへの弁護の手法なのかな、と思う。研究者相手の話は、きちんとしたデータさえ出せば、みんな納得するし、簡単に収束するんだけど。かわいそう、みたいな世論を煽る必要はない。主張を裏付けるきちんとしたデータを示すことが全てで、それでも文句を言うような人は居ないのが科学の世界なんだけど。その方向の努力が見えないんだなぁ。

今日も色々STAP関連のニュースが出ていました。

仕事上、身近な問題なので暇があるとSTAP関連のニュースなど見ているのだが、そろそろ、状況が複雑になって、情報も誰かが、あー言ってる、こー言ってるの類いが多くなり、記事も書く人の質で随分差があって、同じ事を書いてあるはずなのにー、と思う事も。

そろそろ、疲れてきたw 

明日は笹井さんが喋るそうだが、元のデータを直接出していた人ではないので、決定的な何かが出てくるものでもなさそうだしなぁ。

さてさて。

小保方さんの、改ざん認定の電気泳動の図の方の話をなるべく一般向けに、説明してみます(上手くできるとは思わないけど)。興味があれば理研のHPの「研究論文の疑義に関する調査報告書(スライド)」を見てください。ほ乳類の話は詳しく無いので、正確さを欠くかもしれません(あしからず)。

あの図はDNAの電気泳動で、黒バックに白いバーが見えている。白いバーがDNA。図の真ん中の部分が、別の実験のものに上に張り替えられています。多分、コントラスト等もいじった上で、継ぎ目が目立たないようにか、(偶然そうなったのか、不明ですが、)バックの明るさが合わせて(合っています)あるようです。ただ、元の絵が違うので、この絵のコントラストをいじると、継ぎ目が見えて来てしまいます。それをチェックした人に見つけられ告発されたようです。

元々の画像でも、同じ事が言えていたと説明してるのに何故、そんな細工をしたのか。そこに、「悪意」が無いのか。

動機は、あるように見えます。見栄えを良くする事にメリットがあるから。

細工された部分は実験が上手く言っている事を示すためのもので、本当に大事なSTAP細胞にするための操作を加えてOct3/4GFP陽性となった細胞のサンプルは右側の2つです。
真ん中のレーンにきれいにバンドが出ている事は、実験が上手く行えている事(TCR再構成が検出できている)を示す部分で、ここがきれいに出ているかどうかは、データを見た人がこの実験の信頼性を判断するポイントにもなる部分でもあります。

元のものと図の上で何が変わったか。

1:左二つと共通の一番上のバンドが変更後にはありません。
2:変更後の下の方のバンドが論文では強く、はっきりしたものになっています。

では、差し替えたものと、元と実験としては何か違うのか、同じなのか?

理研の報告書についているラベルから見ると、元のものはCD45というタンパク質を目印にして集めた細胞のDNAを使ったようです。差し替えたのはCD45とCD3の2つの目印を使って集めた、より混入の少ないもののようです。多分そのために、1のような違い、一番上のバンドが出なくなったのだろうと思われます。(注:ここは推測です)
{GFP陽性細胞はCD45を目印に選別した細胞に処理したものようなので、ここでは元の図のサンプルのそのままの方が適当な気がするんですがね。細胞の選別の精度をアピールしたかったのかもしれません。(もとのままで、GFPの光ってる細胞の選別が甘くて下のバンドが出てるんじゃないかというケチがつくのを恐れたのかもしれませんが、ここが理由だとすると、捏造疑惑になってくるのかなぁ)}
で、よりきれいに細胞の選別のできたサンプルの(1)、はっきりしたバンドの出るデータ(2)と差し替える事で、この実験が上手くできている事をアピールする事を狙った改変と見られます。この場合、「悪意」とは、よりきれいに見せる事、そのものになります。

どうすればよかったのでしょう?この場合、DNAサンプルを作り直して電気泳動をやり直す、というのが一つです。通常、少なくとも、もう一回やり直すくらいのものは残っていたと思われます。
  やり直すのが嫌(あるいは無理)ならば、別のゲル、別の時の実験のものである事が視覚的にわかるように差し込む画像の両脇に隙間を作るなどする事です。別の実験との比較をする時は、シグナルの強さ、鮮明さの見かけだけでは、判断できないので、強さを比較する事はできないものである、という事を明示するための措置です。ただ、そういう示し方だと、やや、見る人の印象は落ちます(証明としては十分ではあるのですが、そこが一枚のものと見せかける動機になるのですが)。
  この辺をきちんとしないと、査読者への印象アップを狙った改ざん、と見なされてしまいます。研究者は、論文の図を作るとき、結論として変わらなくても、査読者の論文の評価がボーダーラインになってしまった場合、そのような印象が判断に影響するかも、と言う恐れから、なるべくきれいに見える図を作ろうとするものだからです(より見易いきれいな写真を撮るために、すでに何度かやって、わかっている結果のために同じ実験をやり直したりもするものです)。実際、小保方さん、画像操作の目的をきれいに見せるため、と言っているようなので、その目的でやったのだから改ざんですよ、となるでしょうね。

実際に、この程度の改ざんでどんなペナルティがあるでしょうか。これだけであれば、元のデータと異なる結論になるものでは無いので、厳しい処分になったりはしない可能性が高いと思われます。ただ、それは、どこの組織で誰が判定するかによって厳しさも変わります。大きく報道されてはいませんが、研究不正事件もあちこちで、大小ある中での事で、知らなかった、では通らないという見方もあります。ただ、無いものをある事にする捏造ほどの悪質なものとは見なされないでしょう。実際の小保方さんの場合、他にも色々言われている事があるので、それらと合わせて、今後、どうなるかわかりません。

不正確な雑誌記事:両親が♂のマウス

昨日、♂x♂の子供のマウスを作ったという論文を紹介している雑誌記事を読んでどうやって作ったものかわからなくて、元の論文を読んでしまった。英語の記事を翻訳したものだったが、元の記事が悪かったのだろう。キメラマウスを作るところを核移植によるクローンマウス作製の手順と混同しているような文章だったのだと思う。論文は、オスのマウス由来のiPS細胞を作る過程でY染色体を落とした性染色体がXOの細胞株ができたので、これを使ってメスのキメラマウスを作ったところ、XOの細胞由来の子供ができた、つまり胚に入れられたXOのiPS細胞が生殖系列に入り卵細胞を作り子供ができた、ということだった(それで、遺伝的な親は両方とも♂、ということになる)。キメラマウスを作るのはノックアウト、トランスジェニックなど遺伝子操作マウスを作る時には基本的な操作なのだから、知らずにそんな論文を紹介するかなぁ、と思うのだが。

Jubai 1-1