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美味しんぼの騒動に思った事

ここ数週間の美味しんぼの騒動を見ていた。私自身は、この漫画はあまり読んではいない。しかし、これまでの生活の中で、ビッグコミックスピリッツは買っていた時期もあるし、食堂などに置いてあるのを読むこともあったので、それなりに読んだこともある。テレビアニメ化や、実写での映像化もされていたはずで、全国のコンビニ、書店に行きわたっている漫画誌に長く続いていることとあわせて、かなりの知名度のある作品という認識が世の中にもあると思う。


端的に言えば、その作品の中で、雑な取材で(本人と編集部は綿密な取材と思っているようだが)偏った意見の表現が現実と密接にリンクして描かれて反発を食らった、という騒動だと思う。


掲載がマイナーな雑誌だったり、まだ無名の作品だったりしたら、ここまでの騒動にはならなかったかもしれないけれど、この騒動に関わる色々な話は科学技術の話を一般に理解してもらうのが難しいことを象徴している感がある。


低線量の被ばくで起きるのは、基本的には眼関係のリスクの増加のみ。身体的な症状が出ていて、それが被ばくによるのならかなりの量の被ばくをしていることになり、きちんとした治療を受けるべき状態。毎日鼻血がでるんです、なんて言っている場合ではない状況のはず。


わかっていないことも多いと言うし、と言うのも良く聞いたフレーズだが、実際には言い方が逆さで、被ばくによる症状のほとんどはわかっている。放射性物質を掘り出す鉱山労働者、大気中核実験が盛んに行われた時代の実験場周辺住民の健康被害、広島、長崎の原爆による影響、原子力発電所の事故など。様々な事例で知識は集まっている。ごくまれなケースは出てくる可能性は無いとは言えないのと、がんなどは、他の要因の影響による部分も多くて、低線量被ばくの有無を判別できない領域(=気にしても無駄レベル)でのことはよくわからない、というところの話が拡大されてしまっている。

甲状腺はヨウ素を集めるメカニズムがあるので、放射性のヨウ素が濃縮されて問題を引き起こすが、鼻の奥に放射性物質を濃縮するメカニズムは無い。ならば、そこに局所的に炎症を起こすほどの放射性物質を含む粉塵にさらされた人はどうなるのか。ここを科学者は正確性を期するために、「メカニズムは知られていない」と表現する。報道や一般の人は「知られていない」に食いついて過剰反応してしまう。実際、全てがわかっているわけでは無く、絶対か?と問い詰められると言い切れないので、こう言うわけだが、現実にはそれがあるなら、すでに知られているはず、な状況なのだ。そこが、政治家や宗教家と科学者の違いなんだけど。(もっと根拠薄弱でも言い切れる人物でないと、世の中の人を率いる立場の人にはなれないのが世の現実、科学者も研究室を運営するようになると、ここを使い分けられる人が政治的には偉くなる)


むしろ、問題は、地震、津波、原発事故と、大災害のトリプルパンチに長期の避難生活が加わっての、精神的、肉体的疲労。また、放射線に対する無理解からの過剰なおそれ、おびえからくるストレス。これは、まだ、解決されていない部分があって、継続的に意識する必要のある。ここへのケアが継続的に必要な事こそ、強調されるべき事だったと思う。

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